女性が取り組みやすい、比較的強度の低いスクワットバリエーションを中心に、そのやり方を解説します。
目次
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スクワットが効果のある筋肉
スクワットは下半身の筋肉全体に有効なトレーニングです。下半身の筋肉には、主に以下のようなものがあります。
大腿四頭筋:太もも前側の筋肉|膝を伸ばす作用
ハムストリングス:太もも後ろ側の筋肉|膝を曲げる作用
内転筋群:太もも内側の筋肉|脚を閉じる作用
臀筋群:お尻の筋肉|脚を後ろに上げる作用
腸腰筋群:股関節の筋肉|脚を前に上げる作用
下腿三頭筋:ふくらはぎの筋肉|足首を伸ばす作用
前脛骨筋:すねの筋肉|足首を曲げる作用
スクワットの回数設定
筋トレの対象となる骨格筋は筋繊維から構成されており、その筋繊維には主に三種類があります。そして、それらはそれぞれ異なる収縮特性を持っており、トレーニング目的に合わせてターゲットにする筋繊維を考慮する必要があります。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な(持続的な)収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによってあまり筋肥大しない特性を持ちます。このため、ダイエット系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは20回以上の反復回数で限界が来る、軽めの重さ(低負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素もある瞬発的収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによって中程度に筋肥大する特性を持ちます。このため、ボディメイク系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは12~15回の反復回数で限界が来る、やや重めの重量(中負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10回の反復回数で限界が来る、かなり重めの重量(高負荷設定)でセットを実施します。
女性のスクワットは15~20回を目安に
以上のことから、ダイエットとしてスクワット行う場合は遅筋繊維をターゲットに20回以上の反復回数で、下半身のボリュームアップを狙ってスクワットを行う場合は速筋繊維(TYPE2a)をターゲットに15回前後の反復動作で限界がくるように行うのが適正な負荷回数設定です。
厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html
スクワットの実施頻度
筋力トレーニングを行い筋繊維に負荷をかけると、筋繊維はわずかな裂傷を負い、一定の回復期間の後にトレーニング前よりも強く・太くなって回復します。この生体反応を「超回復」と呼び、筋力トレーニングとは、計画的に超回復を繰り返すことにより筋肉を強くしていく行為です。
このため、筋肉に対してレジスタンス負荷をかける頻度・間隔には十分に留意してトレーニングプログラムを組み立てる必要があります。
スクワットの対象となる下半身の筋肉の、標準的な超回復期間は以下の通りです。
大臀筋:48時間
大腿四頭筋:72時間
ハムストリングス:72時間
内転筋:48時間
下腿三頭筋:24時間
以上のことから、スクワットの実施頻度はもっとも超回復に時間のかかる大腿四頭筋やハムストリングスにあわせる必要があり、具体的には2日おきの実施が推奨されます。
なお、トレーニングになれてくると48時間程度で筋肉痛がなくなるようになりますので、その場合は1日おきの実施も有効です。
女性むきの低負荷スクワット種目
椅子スクワット
スクワットが苦手な初心者女性が、まず取り組むとよいのが「椅子スクワット」です。
ちょうど、椅子に座って立ち上がる要領でしゃがみ動作を行うことで、スクワットに近い動作が簡単に行えます。
また、椅子に座ってから立ち上がる動作は、後述するスクワットの基本フォームに近いので、椅子スクワットはノーマルスクワット自体の練習にもなります。
女性むきの基本スクワット種目
ノーマルスクワット(自重スクワット)
スクワット系種目で全ての基本となるのがノーマルスクワット(自重スクワット)です。そのポイントを図にまとめました。
スクワット系運動全てに言えることですが、もっとも大切な動作ポイントは「膝をつま先よりも前に出さない」ということで、これは膝関節・靭帯に過負荷がかからないようにするために非常に重要なことです。
膝がつま先を越えるまでは筋力で体重を支えていますが、膝がつま先よりも前に出た時点で体重は膝の靭帯の張力で支えてしまう状態になります。十分に留意してください。
また、スクワット系運動においては膝の向きとつま先の向きを揃えることも大切で、この向きが揃っていないと膝関節に「ねじれ負荷」がかかってしまうので注意が必要です。
効果的に筋肉に負荷をかけるためのポイントとしては、背すじを伸ばす(背中を丸めない)ことが重要で、これは背すじを伸ばす意識だけでなく、目線を上に向けてセットを行うことで大幅に改善されます。
その基本的なフォームをまとめると、以下のとおりです。
①胸を張り背すじをのばす
②斜め上を見る
③腰を斜め後ろに突き出しながらしゃがむ
④膝がつま先より前に出ないようにする
⑤太ももが床と平行になるまでしゃがむ
本格的なスクワット種目
シシースクワット
画像引用:GYM GUIDER.com
シシースクワットは上半身を後方にのけぞるようにしてしゃがむことで、太もも前面の大腿四頭筋に対して負荷を集中できるスクワットのバリエーションです。図のように、柱などを保持して行うと初心者でも取り組みやすくなります。
ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワット(ワンレッグスクワット)は、下半身後ろ側に負荷をかけられるスクワットのバリエーションで、特に後ろに置いた脚を主働にして動作を行うことで、ハムストリングスや臀筋群に有効です。
ワイドスクワット
ワイドスクワットは大きく足幅を広げ、つま先をやや外に開いて行うバリエーションで、太もも内側(内転筋群)に負荷をかけられるやり方です。
ランジ系スクワット
足を前後や左右に構え、片方の脚を曲げ、もう片方の脚を伸ばす動作のスクワット系派生種目が「ランジ系スクワット」です。
フロントランジ
フロントランジは、ブルガリアンスクワットが強度的にこなせない初心者や女性に有効なスクワットバリエーションです。後ろにした脚に意識を置いて主働させることで、より下半身後面への負荷が高まります。
サイドランジ
サイドランジは内ももの筋肉・内転筋群に効果の高いスクワットバリエーションです。特に内転筋群に負荷を集中させたい場合は、伸ばしたほうの脚を主働にし、その脚で身体全体を引き寄せるように動作を行います。
女性のスクワット解説
女性むきスクワットの種目ごとの解説は、下記の一覧リンク先をご参照ください。
器具を使ったスクワット
バランスボール・トレーニングチューブ・ダンベル・マシン・バーベルを使ったスクワットに関しては、下記の一覧リンク先で解説しています。
また、女性向きスクワット30種目を解説したのが下記の記事です。
【スクワット女性版】30種類の正しいやり方と効果の違いを解説
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