プルオーバー系種目やり方(フォーム・バリエーション・注意点)、負荷のかかる筋肉部位、およびトレーニング目的別に有効な負荷回数設定について解説します。
あわせて、男性の筋肥大向きのセットの組み方や女性向きの種類とやり方についても解説していきます。
目次
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本種目で鍛えられる筋肉部位
本種目の実施によっての鍛えられる主な筋肉は以下の通りです。
ベントアーム:大胸筋
ストレートアーム:広背筋
さらに詳細な筋肉の名称と作用についての解説は下記の筋肉図鑑をご参照ください。
筋トレの目的別に適切な負荷重量設定
筋トレの対象となる骨格筋は筋繊維から構成されており、その筋繊維には主に三種類があります。そして、それらはそれぞれ異なる収縮特性を持っており、トレーニング目的に合わせてターゲットにする筋繊維を考慮する必要があります。
遅筋繊維Ⅰ
30秒以上の持続的な筋収縮の主体となる筋繊維で、トレーニングによってほとんど筋肥大しません。このため、ダイエット系トレーニングにおいてターゲットとするべき筋繊維です。具体的には、20回以上の反復動作で限界が来るような軽めの重さ(低負荷設定)で筋トレを行います。
速筋繊維Ⅱa
おおよそ10~30秒の持久要素のある瞬発的な筋収縮の主体となる筋繊維で、トレーニングによって中程度に筋肥大します。このため、身体作りの筋トレにおいてターゲットとするべき筋繊維です。具体的には、15回前後の反復動作で限界が来るような重さ(中負荷設定)で筋トレを行います。
速筋繊維Ⅱb
短時間の爆発的な瞬発筋収縮の主体となる筋繊維で、トレーニングによって強く筋肥大します。このため、筋肥大・バルクアップ筋トレにおいてターゲットとするべき筋繊維です。具体的には、6~10回前後の反復動作で限界が来るような重さ(高負荷設定)で筋トレを行います。
このように、トレーニング目的にあわせて適切な負荷回数設定を行うことが非常に重要で、この設定を間違えると思ったような筋トレ成果が出せません。
なお、本種目はあまり高重量を追求する種目ではないので12~20レップスの範囲で行うのが一般的です。
本種目の種類と実施方法(フォームと注意点)
チューブプルオーバー
チューブプルオーバーは大胸筋に対して縦方向の刺激を加えられる数少ない種目であるだけでなく、胸郭拡張作用も期待できます。
なお、肘を曲げて行うベントアームスタイルでは大胸筋に負荷が加わりますが、肘を伸ばして行うストレートアームスタイルでは広背筋に負荷がかかります。
ダンベルベントアームプルオーバー
ダンベルプルオーバーは大胸筋に対して縦方向の刺激を入れられる数少ない種目です。
本種目は、肘の角度によって負荷のかかる部分が大胸筋~広背筋に変化しますが、大胸筋に負荷をかける場合は肘を曲げたままで行い、これをベントアームプルオーバーと呼びます。
ダンベルストレートアームプルオーバー(広背筋)
ダンベルプルオーバーは肘の角度によって大胸筋~広背筋まで負荷のかかる部位が変化するトレーニング方法ですが、広背筋をターゲットにする場合は肘を伸ばして行います。これをストレートアームダンベルプルオーバーと呼びます。
バーベルベントアームプルオーバー
バーベルベントアームプルオーバーは、大胸筋に対して縦方向の負荷を加えられる種目で、特に大胸筋の発達停滞期に取り組むと有効です。
バーベルストレートアームプルオーバー
バーベルストレートアームプルオーバーは、体幹に対して上方向から負荷を加えられるため、広背筋側部に有効です。
なお、肘を曲げてしまうと負荷が広背筋ではなく大胸筋に負荷がかかってしまいますので注意してください。
具体的な筋肥大セットの組み方
プルオーバーは仕上げ種目として有効ですので、一般的な筋肥大トレーニングでは以下のようにセットを組みます。
①大胸筋(または広背筋)コンパウンド種目を3~5セット
まずは、大胸筋(または広背筋)の基本トレーニングであるコンパウンド種目(複合関節運動)を行います。
種目例(大胸筋)
腕立て伏せ・ダンベルプレス・マシンチェストプレス・バーベルベンチプレスなど
種目例(広背筋)
懸垂・ダンベルデッドリフト・ダンベルローイング・ケーブルローイング・ラットプルダウン・バーベルデッドリフト・バーベルベントオーバーローなど
②大胸筋(または広背筋)アイソレーション種目を2~3セット
次に、大胸筋(または広背筋)の追い込みとしてアイソレーション種目(単関節運動)を行います。
種目例(大胸筋)
ダンベルフライ・マシンチェストフライ・ケーブルフライなど
種目例(広背筋)
ダンベルリバースフライ・ケーブルリバースフライなど
③プルオーバーを1~2セット
仕上げとして、大胸筋ならベントアームプルオーバーを、広背筋ならストレートアームプルオーバーを行います。
ダンベルプルオーバーの女性向きのやり方
ダンベルプルオーバーは、肘の角度によって負荷のかかる筋肉部位が大胸筋から広背筋に変化する、少し特殊なトレーニング種目です。
大胸筋に負荷をかけたい場合は、肘を曲げて行いますが、これをベントアームプルオーバーと呼びます。
また、広背筋に負荷をかけたい場合は、肘を伸ばして行いますが、これをストレートアームプルオーバーと呼びます。
いずれの場合も、ターゲットにした筋肉を意識的に収縮させることで効率的に負荷を加えることが可能です。
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