サーキットトレーニングは、一度に全身をくまなく鍛えられ、かつ有酸素運動効果も高いため、健康作りやダイエットに有効なトレーニングメニューです。
その基本理論と効果的なやり方および具体的な組み方例をご紹介します。
目次
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サーキットトレーニングとは
一般的な筋力トレーニングでは一つの種目、一つの筋肉部位を連続で複数セット行い進めていきます。これは、特定の筋肉を強く追い込めるため筋肥大トレーニングにおいては定石ともされているやり方です。
一方、サーキットトレーニングでは一つの種目、一つに筋肉部位をトレーニングしたら、次の筋肉部位のトレーニングへと移行し、全身をローテーションでくまなく鍛えていきます。この方法は、特定の筋肉を強く追い込むのには不向きですが、短時間で全身をくまなく鍛えることができるほか、短いインターバルで行っていけば有酸素運動の効果もあるので、ダイエット運動としても有効です。
全身の筋肉部位と作用
サーキットトレーニングのプログラムを組み立てるためには、まずは全身の主な筋肉部位とその作用、作用と連動性によるグループ分け理解する必要があります。
それぞれの筋肉名称と主な作用は以下のようになります。
1.上半身前面(押す動作)のグループ
大胸筋:上腕を前方に押し出し閉じる
三角筋:上腕を上・前・横・後ろに上げる
上腕三頭筋:肘関節を伸展させる
前腕伸筋群:手首関節を伸展させる
このほかに、小胸筋・前鋸筋・肘筋などの深層筋も含まれます。
2.上半身後面(引く動作)のグループ
僧帽筋:肩甲骨を引き寄せる
広背筋:上腕を上・前から引き寄せる
上腕二頭筋:肘関節を屈曲させる
前腕屈筋群:手首関節を屈曲させる
脊柱起立筋:体幹を伸展させる
このほかに、菱形筋・大円筋・回旋筋腱板。上腕筋などの深層筋も含まれます。
3.下半身前面のグループ
腸腰筋群:股関節を屈曲させる
大腿四頭筋:肘関節を伸展させる
下腿三頭筋:足首関節を伸展させる
臀筋群:股関節を伸展させる
ハムストリングス:膝関節を屈曲させる
内転筋群:大腿を内転させる
4.体幹のグループ
腹筋群:体幹を屈曲・回旋させる
4つのグループを順番にローテーションする
つまり、サーキットトレーニングでは、この4つの筋肉グループをローテーションでトレーニングしていきます。一般的には、以下のように組みます。
①上半身の押す筋肉→②下半身の筋肉→③上半身の引く筋肉→④体幹の筋肉
筋肉の名称と作用の図鑑
種目設定の順番
サーキットトレーニングの成果を上げるためには、各トレーニング種目を実施する順番が大切で、これは対象となる筋肉の大きさと実施する種目の分類(コンパウンド種目|アイソレーション種目)によります。
筋肉の大きさ
各筋肉グループを構成する筋肉の大きさとトレーニングの実施の順番は以下の通りです。
下半身の筋肉の大きさと、筋力トレーニングの実施の順番は以下の通りです。
①大腿四頭筋
②ハムストリングス
③臀筋群
④内転筋群
⑤下腿三頭筋
上半身の引く筋肉の大きさと、筋力トレーニングの実施の順番は以下の通りです。
①広背筋
②僧帽筋
③上腕二頭筋
上半身の押す筋肉の大きさと、筋力トレーニングの実施の順番は以下の通りです。
①大胸筋
②三角筋
③上腕三頭筋
複合関節種目から単関節種目へ
筋力トレーニングの種目には大きく2種類があり、一つは複合関節種目(コンパウンド種目)、そしてもう一つが単関節種目(アイソレーション種目)で、それぞれの分類方法と実施の順番は以下の通りです。
①複合関節種目|コンパウンド種目
同時に複数の筋肉と関節を動かすトレーニング種目で、高重量を扱って大きな筋肉に負荷をかけられます。実際の筋力トレーニングにおいては先に実施します。
②単関節種目|アイソレーション種目
単一の筋肉と関節だけを動かすトレーニング種目で、低重量で集中的に小さな筋肉に負荷をかけられます。実際の筋力トレーニングにおいてはコンパウンド種目の後に実施します。
具体的な各トレーニング種目の実施例は下記の記事をご参照ください。
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筋トレの目的別に適切な負荷重量設定
筋トレの対象となる骨格筋は筋繊維から構成されており、その筋繊維には主に三種類があります。そして、それらはそれぞれ異なる収縮特性を持っており、トレーニング目的に合わせてターゲットにする筋繊維を考慮する必要があります。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な(持続的な)収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによってあまり筋肥大しない特性を持ちます。このため、ダイエット系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは20回以上の反復回数で限界が来る、軽めの重さ(低負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素もある瞬発的収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによって中程度に筋肥大する特性を持ちます。このため、ボディメイク系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは12~15回の反復回数で限界が来る、やや重めの重量(中負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10回の反復回数で限界が来る、かなり重めの重量(高負荷設定)でセットを実施します。
サーキットトレーニングは1セット12~20レップスで行う
前述しましたが、サーキットトレーニングは筋肥大トレーニングととしては不向きですので、実施する場合は「体力作り」や「ダイエット」を目的とすることがほとんどです。
ですので、サーキットトレーニングにおいては必然的に1セット12~20レップスでトレーニング種目を実施していくことになります。
厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。
引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-026.html
具体的なサーキットトレーニングメニュー例
自宅でのサーキットトレーニング(自重・チューブ・ダンベル)
1セット目(各種目間は30~60秒のインターバルを置く)
①腕立て伏せまたはチューブチェストプレスまたはダンベルプレス
②自重スクワットまたはチューブスクワットまたはダンベルスクワット
③斜め懸垂またはチューブローイングまたはダンベルデッドリフト
2セット目(各種目間は30~60秒のインターバルを置く)
①パイクプッシュアップまたはチューブショルダープレスまたはダンベルショルダープレス
③シシースクワットまたはチューブレッグプレスまたはダンベルレッグエクステンション
④レッグレイズまたはチューブレッグレイズまたはダンベルレッグレイズ
3セット目(各種目間は30~60秒のインターバルを置く)
①ナロー腕立て伏せまたはチューブキックバックまたはダンベルフレンチプレス
ジムでのサーキットトレーニング(マシン・バーベル)
1セット目(各種目間は30~60秒のインターバルを置く)
2セット目(各種目間は30~60秒のインターバルを置く)
3セット目(各種目間は30~60秒のインターバルを置く)
①ケーブルトライセプスプレスダウンまたはバーベルフレンチプレス
女性向きの種目解説(動画つき)
なお、女性向きのトレーニング種目解説(動画つき)は下記の一覧をご参照ください。
大胸筋の種目
腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せ
足上げ腕立て伏せ
ヒンズープッシュアップ
ディップスダンベルプレス
ダンベルインクラインプレス
ダンベルデクラインプレス
ダンベルリバースグリッププレス
ダンベルフライ
ダンベルプルオーバーマシンチェストプレス
マシンチェストフライ
スミスマシンベンチプレス
ケーブルフライバーベルベンチプレス
バーベルインクラインベンチプレス
バーベルデクラインベンチプレス
バーベルリバースグリップベンチプレス
三角筋の種目
チューブショルダープレス
チューブフロントレイズ
チューブサイドレイズ
チューブフェイスプルダンベルショルダープレス
ダンベルアップライトロウイング
ダンベルフロントレイズ
ダンベルサイドレイズ
ダンベルリアラテラルレイズ
ダンベルフェイスプルマシンショルダープレス
スミスマシンショルダープレス
ケーブルアップライトロウ
ケーブルフロントレイズ
ケーブルサイドレイズ
ケーブルリアラテラルレイズ
ケーブルフェイスプル
上腕三頭筋の種目
チューブフレンチプレス
チューブキックバック
チューブプレスダウン
背筋群の種目
チューブローイング
チューブラットプルダウン
チューブプルオーバー
チューブリバースフライ
チューブグッドモーニングダンベルローイング
ダンベルデッドリフト
ダンベルショルダーシュラッグ
ダンベルリバースフライ
ダンベルグッドモーニングケーブルローイング
ラットマシンプルダウン
スミスマシンデッドリフト
Tバーローイング
ケーブルプルオーバー
ハイパーバックエクステンション
上腕二頭筋の種目
チューブカール
チューブハンマーカール
チューブリバースカール
体幹部の種目
クランチ
レッグレイズ
四の字クランチ
クランチツイスト
リバースクランチチューブクランチ
チューブレッグレイズ
チューブサイドベント
チューブアブツイスト
下半身の種目
自重スクワット
ブルガリアンスクワット
フロントランジ
サイドランジ
ワイドスクワット
シシースクワット
バッグレッグリフト
カーフレイズチューブスクワット
チューブレッグプレス
チューブレッグエクステンション
チューブレッグカール
チューブアダクション
チューブバックレッグリフト
チューブカーフレイズダンベルスクワット
ダンベルワイドスクワット
ダンベルフロントランジ
ダンベルサイドランジ
ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグカール
ダンベルカーフレイズ
女性のための筋力トレーニング情報
女性の部位別トレーニング一覧
筋力トレーニングと食事の基礎知識
筋力トレーニングを実施したら、そこで満足して終わるのではなく、トレーニング効果を最大限高める食事・栄養摂取をする必要があります。
筋力トレーニング情報ページ
筋トレコラム記事一覧
食品科学情報データベース

600品目以上の食品栄養成分データベース
検索窓に調べたい食品名を入れてください。表示されない場合は、ひらがな・カタカナ・漢字でそれぞれお試しください。
筋トレ情報コーナーのメイン記事
筋肉の名前と部位別の構造・作用自重負荷トレーニングの実施方法
チューブトレーニングの実施方法
チューブトレーニングの実施方法
マシーントレーニングの実施方法
バーベルトレーニングの実施方法
週2~4回の部位分割トレーング法
細マッチョトレーニングの組み方
筋肥大向きトレーニングの組み方
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男性向きの記事|女性向きの記事
筋トレメニュー|筋トレメニュー
大胸筋の筋トレ|大胸筋の筋トレ
背筋群の筋トレ|背筋群の筋トレ
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上腕部の筋トレ|上腕部の筋トレ
下半身の筋トレ|下半身の筋トレ
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リストラップの効果と選び方紹介
トレーニングベルトの選び方紹介
エルボースリーブの種類と選び方
パワーグリップの種類と選定方法
自宅トレーニングに最適な器具類
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