ディップス・ダンベルプレス・ベンチプレスなどのプレス系種目では肩の痛みが発生する(または肩にばかり効いてしまう)ケースが少なくありません。
その原因(間違ったフォーム)と改善策(正しいフォーム)について解説するとともに、痛みが発生しづらい「縦持ちフォーム」をご紹介します。
目次
当サイトのトレーニング記事は、トップアスリートの知見にのみ基づき制作されており、全日本3位以上実績者・日本代表選手経験者に限り執筆しています。執筆陣に関する詳細はこちらをご参照ください。また、当サイトでは厚生労働省・Wikipediaなどの公共性・信頼性の高いサイトの情報を元に科学的な根拠(エビデンス)を担保しています。それらについてはこちらの一覧をご参照ください。
肩関節の構造と周辺の筋肉
まずはじめに、肩関節の構造について簡単に解説します。
狭義の肩関節(第一肩関節・第二肩関節)を構成する骨
一般的に肩関節と言えば、肩甲骨と上腕骨の接合部分である第一肩関節(肩甲上腕関節)のことを指し、これに加えて肩峰~烏口突起間にある烏口肩峰靭帯と上腕骨の間隙である第二肩関節を含める場合もあります。
肩関節(けんかんせつ)は、肩にある関節。一般的には肩甲上腕関節(第一肩関節)の事を指し(肩甲骨と上腕骨をつなぐ間の部分で、肩甲骨の関節窩と上腕骨頭で形成された関節部分)、これを狭義の肩関節という。
広義の肩関節(肩甲胸郭関節・肩鎖関節・胸鎖関節)を構成する骨
このほかに、広義の肩関節に含められるものには、胸骨と鎖骨の接合部分である胸鎖関節、肩甲骨と鎖骨の接合部分である肩鎖関節、胸郭と肩甲骨の間隙である肩甲胸郭関節があります。
広義の肩関節は、肩甲骨、上腕骨、鎖骨、胸骨、胸郭に関連する5つの関節(文献によっては、肩甲上腕関節・肩鎖関節・胸鎖関節の3つの場合もある)で構成されており、肩複合体と呼ばれることもある。
肩関節を構成する筋肉と周辺の筋肉
肩関節を構成する筋肉には、ローテーターカフ(回旋筋腱板|棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)・大円筋・鎖骨下筋・烏口腕筋などがあります。また、周辺の筋肉として三角筋・肩甲挙筋・板状筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋があります。
ディップスで肩が痛くなる原因(フォーム)
①肩甲骨を寄せていない
ディップスで肩が痛くなる原因の多くが「肩甲骨を寄せずに動作を行っている」ことです。
肩甲骨を寄せていないと、前述の第一肩関節(肩甲上腕関節)・第二肩関節・肩鎖関節が前方に出た状態のまま関節に加重がかかってしまいます。
この状態で継続的な負荷が肩関節にかかり続けると、肩の痛みの原因の一つになると推測されています。
②前傾姿勢をとっていない
前傾姿勢をとらずに、上半身が直立のまま身体を下ろしていくと肩関節に強い負担がかかります。また、多くの場合、上半身が直立している=肩甲骨が開いているということも言えます。
ディップスで肩が痛くならない方法
以上のことから、ディップスで肩が痛くならないようにするためには、①肩甲骨をしっかりと寄せる、②前傾姿勢をとる、の2点に留意して動作を行えばよいことになります。
なお、その解説については以下のリンク先に記載しています。
ダンベルプレス・ベンチプレスで肩が痛くなる原因(フォーム)と改善策
①肩甲骨を寄せていない
ダンベルプレスやベンチプレスで肩を痛めてしまうケースの多くが、前述のディップスの場合と同様に「肩甲骨をしっかりと寄せていないフォーム」に起因しています。
上図のように、まずは肩甲骨を寄せるイメージトレーニングを行うことを推奨します。
ベンチプレスの場合も同様に、肩甲骨を図の矢印のように意識し、肩甲骨を寄せて肩関節を引いておくイメージが大切です。
②グリップ方向が合っていない
この写真は一般的なベンチプレスのグリップ方法で手とシャフトがほぼ平行になっています。人によっては問題ない場合もありますが、関節の向きと筋肉のつき方には個人差がありますので、このようなグリップが合っていない場合は肩に痛みが発生するケースもあります。
この写真のグリップは、いわゆる「八の字グリップ」と呼ばれるグリップ方法で、シャフトに対して手がやや斜めになるのが特徴です。
前述の通常グリップが合わない人に有効です。
なお、さらに詳しいベンチプレスのフォーム・グリップに関しては下記のリンク先に記載しています。
ダンベルプレス・ベンチプレスの縦持ちフォーム
通常のダンベルプレス・ベンチプレスで肩に痛みを感じる場合は、縦持ちに種目の代替実施が有効です。
なお、模範的な動画とその解説については以下のリンク先に記載しています。
筋トレコラム記事一覧
筋力トレーニング情報ページ
食品科学情報データベース
600品目以上の食品栄養成分データベース
検索窓に調べたい食品名を入れてください。表示されない場合は、ひらがな・カタカナ・漢字でそれぞれお試しください。
筋トレ情報コーナーのメイン記事
筋肉の名前と部位別の構造・作用自重負荷トレーニングの実施方法
チューブトレーニングの実施方法
チューブトレーニングの実施方法
マシーントレーニングの実施方法
バーベルトレーニングの実施方法
週2~4回の部位分割トレーング法
細マッチョトレーニングの組み方
筋肥大向きトレーニングの組み方
---------------
男性向きの記事|女性向きの記事
筋トレメニュー|筋トレメニュー
大胸筋の筋トレ|大胸筋の筋トレ
背筋群の筋トレ|背筋群の筋トレ
三角筋の筋トレ|三角筋の筋トレ
上腕部の筋トレ|上腕部の筋トレ
下半身の筋トレ|下半身の筋トレ
---------------
リストラップの効果と選び方紹介
トレーニングベルトの選び方紹介
エルボースリーブの種類と選び方
パワーグリップの種類と選定方法
自宅トレーニングに最適な器具類