懸垂は毎日やるべき?|筋肉痛を目安に超回復を考慮した実施の間隔

懸垂を毎日行うべきなのか、一定の間隔を開けて行うべきなのか、懸垂で使用する筋肉部位の超回復期間を考慮した上での適正実施頻度について解説します。

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当サイトのトレーニング記事は、トップアスリートの知見にのみ基づき制作されており、全日本3位以上実績者・日本代表選手経験者に限り執筆しています。執筆陣に関する詳細はこちらをご参照ください。また、当サイトでは厚生労働省・Wikipediaなどの公共性・信頼性の高いサイトの情報を元に科学的な根拠(エビデンス)を担保しています。それらについてはこちらの一覧をご参照ください。

超回復理論と筋肉部位ごとの回復期間

筋力トレーニングを行い筋繊維に負荷をかけると、筋繊維はわずかな裂傷を負い、一定の回復期間の後にトレーニング前よりも強く・太くなって回復します。この生体反応を「超回復」と呼び、筋力トレーニングとは、計画的に超回復を繰り返すことにより筋肉を強くしていく行為です。

このため、筋肉に対してレジスタンス負荷をかける頻度・間隔には十分に留意してトレーニングプログラムを組み立てる必要があります。

骨格筋の超回復期間には、それぞれ固有の回復時間があり、それは年齢や性別によって左右されますが、20~30代男性の場合、おおよそ以下のようになります。

筋肉部位ごとの超回復期間

・大胸筋:48時間
・三角筋:48時間
・上腕三頭筋:48時間
・僧帽筋:48時間
・広背筋:72時間
・上腕二頭筋:48時間
・腹筋群:24時間
・脊柱起立筋:72時間
・大臀筋:48時間
・大腿四頭筋:72時間
・ハムストリングス:72時間
・前腕筋群:24時間
・下腿三頭筋:24時間

なお、加齢とともに超回復期間は最大2倍程度まで長くなります。また、女性は男性に比べると筋肉合成に関わるホルモン分泌量が少ないため、男性よりも超回復期間が長くなる傾向にあります。

超回復前に筋力トレーニングを実施すると

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筋力トレーニングによって筋繊維が破壊され、超回復がなされないままトレーニングを実施すると、筋繊維はさらに壊され、これを慢性的に繰り返していくと筋肉は発達するどころか縮小傾向に陥ってしまいます。

超回復が完了したか否かのおおよその目安は「筋肉痛が残っているかどうか」で判断できますので、筋肉痛が残る部位には負荷をかけないようにすることが必要です。

厚生労働省による超回復とトレーニング頻度に関する記載

筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2-3日に一回程度、週あたり2-3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。

引用:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-058.html

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自重トレーニングは毎日していい?

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懸垂はトレーニングの分類で言えば「自重トレーニング」に分類されます。

自重トレーニングはよく「ウエイトトレーニングではない」と誤解され、そのため「毎日実施してもよい」などと言われますが、正式には”Self Weight Training”、つまりセルフウエイトトレーニングと呼ばれる自身の体重を負荷ウエイトに使うウエイトトレーニングの一種です。このため、他のウエイトトレーニングに準じ、超回復理論にのっとりプログラムを組んでいく必要があります。

ウェイトトレーニング(Weight Training)は、筋力トレーニングの1種目。バーベル、ダンベル、マシンまたは自重などを使い筋肉に負荷をかけ体を鍛えるトレーニング。主に筋力の増大、またはそれに伴う筋肉の増量などを目的とするトレーニングの総称。

狭義にはバーベルやダンベル、専用のトレーニングマシンを使用したトレーニングであり、広義にはそれに自重を利用したトレーニングも含む。

引用:Wikipedia「ウエイトトレーニング」

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懸垂で使用する筋肉部位

懸垂で主に使用される筋肉は広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・上腕二頭筋です。

前述のとおり、その筋肉部位ごとの超回復期間は、広背筋と脊柱起立筋が72時間、僧帽筋と上腕二頭筋が48時間です。

このため、もっとも超回復に時間のかかる部位にあわせ、懸垂の超回復を考慮した適切な実施間隔は72時間おき、つまり最短でも2日おきとなります。

なお、筋肉が超回復したどうかは、その部位に筋肉痛が残っているかいないかが一つの目安となります。超回復期間には個人差がありますので、筋肉痛が残っている場合は、その筋肉部位のトレーニングは控えるのが一般的です。

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筋肉痛時の筋力トレーニングと動的休養

懸垂の実施方法

順手懸垂|プルアップ

順手懸垂(プルアップ)は、広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋など上半身の引く動作の筋肉に広く有効ですが、なかでも広背筋側部に強い負荷がかかります。

一般的な懸垂運動のイメージとしては、「バーから顎を出して一回」というものがありますが、筋力トレーニングとしての懸垂の場合は、その意識は必要ありません。

バーより上に顎を出そうとすると、どうしても背中が丸まり、背筋群のために必要な「肩甲骨を寄せて筋肉を完全収縮させる」という動作の妨げになります。

ですので、背筋群トレーニングとして行う懸垂では、胸をバーにつけにいくイメージで動作を行い、肩甲骨の引き寄せと背筋群の完全収縮を最優先させてください。

斜め懸垂|インバーテッドロー

順手懸垂はかなり負荷の高い自重トレーニングであり、筋力トレーニングとして有効な回数、すなわち5~6回以上の反復ができない人も少なくありません。

特にトレーニング初心者や女性では、懸垂が一回以上できないことがほとんどです。

懸垂ができない、または必要回数の反復ができないという人は、まず斜め懸垂(インバーテッドロー)から背筋トレーニングを始めるとよいでしょう。

動作の基本はノーマル懸垂と同じで、胸をバーにつけにいくイメージで身体を引き寄せ、肩甲骨を寄せきって背筋群を完全収縮させるようにしてください。

パラレル懸垂

狭い手幅で行うパラレル懸垂は、背筋群のなかでも僧帽筋と広背筋中部に高い負荷のかかるバリエーションです。

ノーマル懸垂同様、しっかりと肩甲骨を寄せることを最優先して動作を行ってください。

逆手懸垂|チンアップ

逆手で行う逆手懸垂(チンアップ)は、背筋群中部にも負荷がかかりますが、特に上腕二頭筋に強く負荷のかかるバリエーションです。

このため、背筋群トレーニングとしてでなく、腕のトレーニングとして行われることが少なくありません。

腕のトレーニングとして逆手懸垂を行う場合、上腕二頭筋に負荷を集中させるため、あえて背筋群の筋力を使わないように、肩甲骨を寄せずに動作を行うと効果的です。

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懸垂の種類

懸垂

斜め懸垂

下記の記事では、40種類もの懸垂のやり方を解説しています。

▼詳細記事

背筋の自重トレーニング種目として基本となる懸垂のフォームややり方のコツを解説するとともに、効果のある筋肉部位別に40種類のバリエーションもご紹介します。懸垂が効果のある筋肉部位広背筋の英語名称・構造・部位詳細・起始停止読みかた:こうはいきん

下記の記事では、懸垂が1回もできない人ができるようになるための段階プログラムについて解説しています。

▼詳細記事

懸垂が一回もできない、という人は意外に少なくありません。筆者の運営するジムでも、懸垂のできないメンバーには「まずは一回できるように」指導しています。0回を1回にするのは大変ですが、1回できるようになると、2回・3回と懸垂ができる回数は一気に

筋力トレーニングの実施頻度

各筋力トレーニング種目の適切な実施頻度については下記の記事をご参照ください。

筋力トレーニングの適正頻度

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