筋力トレーニングに励む多くのトレーニーの目的の一つに「筋肉を付ける=身体を大きくする(または筋密度を上げる)」というものがありますが、このためには、筋肥大(または筋密度向上)に適切なトレーニングメニューの組み方(負荷回数設定・実施頻度など)を知るとともに、有効な食事の摂り方も身につける必要があります。
それら筋肥大(または筋密度向上)にむけた基礎知識とその解説記事をご紹介します。
※筋肥大:いわゆるバルクアップトレーニング
※筋密度向上:いわゆるダイエットトレーニング
目次
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筋肉を付けるための基礎知識
効率的に筋肉を付けて身体を大きくするためには、以下のような基礎知識を身につけて実践する必要があります。
①筋力トレーニングとは
②全身の主な筋肉部位
③筋繊維の種類と負荷回数設定
④超回復とトレーニング頻度
⑤トレーニングセット法
⑥適切な食事メニュー
①筋力トレーニングとは
筋力トレーニングとは本来スポーツの競技能力向上のために発案されてきたスポーツメソッドですが、そのやり方によっては筋肥大を起こす副次効果があるため、近年では筋肉を大きくするボディメイクメソッドとして世界的に普及しています。
筋力トレーニングには主に自重トレーニング・チューブトレーニング・ダンベルトレーニング・マシントレーニング・バーベルトレーニングがあり、これらの派生として体幹トレーニング・バランスボールトレーニング・ケトルベルトレーニングなどがあります。
これらの各実践方法は下記の各記事をご参照ください。
また、各トレーニング種目の実施方法(動画つき解説)については下記の一覧ページをご参照ください。
ウエイトトレーニングとは
・厚生労働省による記載
スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います。10-15回程度の回数を反復し、それを1-3セット無理のない範囲で行うことが勧められます。
レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。自体重を用いて行う方法は手軽に行えることから、筋力向上の指導プログラムに広く活用することができます。しかし負荷の大きさを調節しにくいという欠点もあります。例えばスクワットならしゃがみ込む深さを調節する、机などに手をついて行う、何かを持って行うなどの工夫で負荷の調節をすると良いでしょう。
筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2-3日に一回程度、週あたり2-3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。無理のない範囲で「継続的」に行うようにしてください。
・Wikipediaによる記載
筋力トレーニング(きんりょくトレーニング)とは、骨格筋の出力・持久力の維持向上や筋肥大を目的とした運動の総称。目的の骨格筋へ抵抗(resistance)をかけることによって行うものは、レジスタンストレーニングとも呼ばれる。抵抗のかけ方にはさまざまなものがあるが、重力や慣性を利用するものや、ゴムなどによる弾性を利用するもの、油圧や空気圧による抵抗を用いるものが一般的である。重力による抵抗を利用する場合は特に、ウエイトトレーニングとも呼ばれる。
ウェイトトレーニング(Weight Training)は、筋力トレーニングの1種目。バーベル、ダンベル、マシンまたは自重などを使い筋肉に負荷をかけ体を鍛えるトレーニング。主に筋力の増大、またはそれに伴う筋肉の増量などを目的とするトレーニングの総称。
狭義にはバーベルやダンベル、専用のトレーニングマシンを使用したトレーニングであり、広義にはそれに自重を利用したトレーニングも含む。
②全身の主な筋肉部位
筋力トレーニングの対象となる主な骨格筋は、その連動性と共働関係から以下のようにグループ分けされるのが一般的です。それぞれの筋肉名称と主な作用は以下のようになります。
1.上半身前面(押す動作)のグループ
大胸筋:上腕を前方に押し出し閉じる
三角筋:上腕を上・前・横・後ろに上げる
上腕三頭筋:肘関節を伸展させる
前腕伸筋群:手首関節を伸展させる
腹筋群:体幹を屈曲・回旋させる
このほかに、小胸筋・前鋸筋・肘筋などの深層筋も含まれます。
2.上半身後面(引く動作)のグループ
僧帽筋:肩甲骨を引き寄せる
広背筋:上腕を上・前から引き寄せる
上腕二頭筋:肘関節を屈曲させる
前腕屈筋群:手首関節を屈曲させる
脊柱起立筋:体幹を伸展させる
このほかに、菱形筋・大円筋・回旋筋腱板。上腕筋などの深層筋も含まれます。
3.下半身前面(押す動作)のグループ
腸腰筋群:股関節を屈曲させる
大腿四頭筋:肘関節を伸展させる
下腿三頭筋:足首関節を伸展させる
4.下半身後面(引く動作)のグループ
臀筋群:股関節を伸展させる
ハムストリングス:膝関節を屈曲させる
内転筋群:大腿を内転させる
筋肉の名称と作用の図鑑
最新の3Dデジタル図鑑
3Dデジタル画像による最新の筋肉図鑑は下記のリンク先をご参照ください。
体幹インナーマッスル図鑑
インナーマッスルの名称・作用と体幹トレーニングの実施方法については下記の記事をご参照ください。
筋肉部位別トレーニング
筋肉部位別のトレーニング方法については下記のリンク先をご参照ください。
男性向き解説
女性向き解説
③筋繊維の種類と負荷回数設定
筋肉を付ける筋肥大トレーニング、筋密度を上げるダイエットトレーニングそれぞれには、ターゲットにするべき筋繊維タイプとそれらに適切な負荷回数設定があります。これらを理解した上で筋力トレーニングを実施するとが、成果を出すためには重要です。
筋トレの対象となる骨格筋は筋繊維から構成されており、その筋繊維には主に三種類があります。そして、それらはそれぞれ異なる収縮特性を持っており、トレーニング目的に合わせてターゲットにする筋繊維を考慮する必要があります。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な(持続的な)収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによってあまり筋肥大しない特性を持ちます。このため、ダイエット系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは20回以上の反復回数で限界が来る、軽めの重さ(低負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素もある瞬発的収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによって中程度に筋肥大する特性を持ちます。このため、ボディメイク系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは12~15回の反復回数で限界が来る、やや重めの重量(中負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10回の反復回数で限界が来る、かなり重めの重量(高負荷設定)でセットを実施します。
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厚生労働省による筋繊維に関する記載
骨格筋を構成している筋繊維には大きく分けて速筋と遅筋の2種類があります。速筋は白っぽいため白筋とも呼ばれます。収縮スピードが速く、瞬間的に大きな力を出すことができますが、長時間収縮を維持することができず張力が低下してしまいます。遅筋は赤みがかった色から赤筋とも呼ばれます。収縮のスピードは比較的遅く、大きな力を出すことはできませんが、疲れにくく長時間にわたって一定の張力を維持することができます。
・Wikipediaによる筋繊維に関する記載
筋線維には大きく2種類あり、ミトコンドリアに富んで酸素を利用した持続的な収縮の可能な遅筋線維(Type 1、赤筋、色の原因は、酸素結合性タンパク質、ミオグロビンである)と、ミトコンドリアは比較的少なく解糖系による瞬発的な収縮の可能な速筋線維(Type 2、白筋)にわけられる。速筋線維の中でもやや持続的収縮に向いたものはType 2a、そうでないものはType 2X、Type 2bとさらに細分される。なお、遅筋線維、速筋線維はそれぞれ遅筋、速筋と呼ばれることが多い。さらには、両者の性質を備えた中間筋の存在も認められている。
④超回復とトレーニング頻度
筋力トレーニングの実施にあたっては、筋繊維の超回復理論を念頭においてプログラムを組む必要があります。
筋力トレーニングによって負荷をかけた筋繊維は微細な裂傷を負い、それが一定期間に回復期間の後に、トレーニング前よりも太く(または筋密度が上昇)なって回復します。
この生体反応を「超回復」と言い、その回復期間は各筋肉部位によって24~72時間を要します。
筋肉部位ごとの超回復期間
・大胸筋:48時間
・三角筋:48時間
・上腕三頭筋:48時間
・僧帽筋:48時間
・広背筋:72時間
・上腕二頭筋:48時間
・腹筋群:24時間
・脊柱起立筋:72時間
・大臀筋:48時間
・大腿四頭筋:72時間
・ハムストリングス:72時間
・前腕筋群:24時間
・下腿三頭筋:24時間
なお、加齢とともに超回復期間は最大2倍程度まで長くなります。また、女性は男性に比べると筋肉合成に関わるホルモン分泌量が少ないため、男性よりも超回復期間が長くなる傾向にあります。
このような、超回復理論にのっとり効率的に全身をトレーニングしていくためには、全身の筋肉を連動性によっていくつかのグループに分け、ローテーションで鍛えていく「部位分割法|スプリットトレーニング」が最適です。その具体的なローテーションの組み方は以下の通りです。
部位分割トレーニング
筋力トレーニングの効率を上げるためには、一度に全身の筋肉全てを鍛えるのではなく、筋肉部位を2~4グループに分け、1日に1グループずつ一週間で2~4回の分割トレーニングを行うことが有効です。
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週2回のトレーニングの場合
①上半身・下半身の押す動作の筋肉
②上半身・下半身の引く動作の筋肉
具体的なトレーニングメニューは下記の記事に記載しています。
▼具体的な週2回トレーニングメニュー
週3回のトレーニングの場合
①上半身の押す動作の筋肉
②下半身の筋肉
③上半身の引く動作の筋肉
具体的なトレーニングメニューは下記の記事に記載しています。
▼具体的な週3回トレーニングメニュー
週4回のトレーニングの場合
①上半身の押す動作の筋肉
②下半身の押す動作の筋肉
③上半身の引く動作の筋肉
④下半身の引く動作の筋肉
具体的なトレーニングメニューは下記の記事に記載しています。
▼具体的な週4回トレーニングメニュー
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厚生労働省による超回復とトレーニング頻度に関する記載
筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2-3日に一回程度、週あたり2-3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。
筋肉はレジスタンス運動を行うと筋線維の一部が破断されます。それが修復される際にもとの筋線維よりも少し太い状態になります。これを「超回復」と呼び、これを繰り返すと筋の断面積が全体として太くなり筋力が上がります。筋力のトレーニングはこの仕組みを利用して最大筋力に近い負荷でレジスタンス運動し、筋が修復されるまで2~3日の休息ののち、またレジスタンス運動でトレーニングということの繰り返しによって行われます。
⑤トレーニングセット法
筋力トレーニングを実施していくと、当初は順調に筋肥大(または筋密度向上)していきますが、いずれ、筋肉が刺激に慣れてしまう発達停滞期(プラトー)に入ります。
最初のプラトーはトレーニング開始から3~6ヶ月で訪れ、このタイミングで停滞期を克服できずに筋力トレーニングをやめてしまう人も少なくありません。
この発達停滞期(プラトー)を突破するためには、通常とは違うトレーニングセットを組んで筋肉に対する刺激を変えるのが有効です。
各種のトレーニングセット法の実施方法に関しては、下記のリンク先をご参照ください。
⑥適切な食事メニュー
筋力トレーニングを実施したら、そこで満足して終わるのではなく、トレーニング効果を最大限高める食事・栄養摂取をする必要があります。詳しくは下記の記事をご参照ください。
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付録情報
筋力トレーニング実施の時間帯とタイミング
下記の記事では、筋力トレーニングを実施する時間帯(朝・昼・夜)それぞれのメリットについて解説するとともに、食事とトレーニングのタイミングについても解説しています。
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筋力トレーニングの効果が出る期間
下記の記事では、筋力トレーニングの効果とその成果が出るまでの期間について、女性のダイエットトレーニング、男性のバルクアップトレーニングそれぞれのケースで解説しています。
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筋力トレーニングと有酸素運動
総合的な運動プログラムを組む場合に大切なのが、筋力トレーニングと有酸素運動の順番ですが、これはトレーニング目的や熟練度によっても変わってきます。
下記の記事では、無酸素運動である筋力トレーニングと有酸素運動の順番・組み方について、筋肥大目的とダイエット目的それぞれに有効な実施方法を解説しています。
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筋力トレーニングとストレッチ
下記の記事では、筋力トレーニングの対象となる全身の主要な筋肉、大胸筋・背筋群・三角筋・上腕三頭筋・上腕二頭筋・大腿四頭筋・ハムストリングスのストレッチ方法を解説するとともに、ストレッチをトレーニング前・中・後それぞれに行う意味についても解説しています。
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モチベーションの維持
数多くのメリットがある筋力トレーニングですが、それらを手にするためには一定期間の継続が必須となります。このためには、適切なモチベーションの維持や成果が出るまでの期間を把握しておくことが重要です。
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チューブトレーニングの実施方法
チューブトレーニングの実施方法
マシーントレーニングの実施方法
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週2~4回の部位分割トレーング法
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