女性のための大胸筋のトレーニング方法を、自宅(自重・チューブ・ダンベル)、ジム(マシン・バーベル)それぞれから部位別(上部・内側・下部)にわけて解説していきます。
なお、解説種目は女性が取り組みやすい種目を優先して選定しています。
目次
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大胸筋の構造と作用
大胸筋は一般的には上部・内側・下部に分けられ、それぞれのトレーニングにおける作用は以下の通りです。
大胸筋上部:腕を斜め上方に押し出す
大胸筋内側:腕を前で閉じる
大胸筋下部:腕を斜め下方に押し出す
さらに詳しい筋肉の情報
女性が女性が大胸筋を鍛えるメリット
デコルテやバストの土台がボリュームアップされる
大胸筋の筋トレで、デコルテやバストの土台部分のボリュームがアップします。なお、食事制限をともなったダイエットと並行して実施するとバスト自体のボリュームは下がります。
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筋トレの目的別に適切な負荷重量設定
筋トレの対象となる骨格筋は筋繊維から構成されており、その筋繊維には主に三種類があります。そして、それらはそれぞれ異なる収縮特性を持っており、トレーニング目的に合わせてターゲットにする筋繊維を考慮する必要があります。
遅筋(遅筋繊維Ⅰ)
持久的な(持続的な)収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによってあまり筋肥大しない特性を持ちます。このため、ダイエット系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは20回以上の反復回数で限界が来る、軽めの重さ(低負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱa)
持久要素もある瞬発的収縮の主体となる筋繊維で、筋トレによって中程度に筋肥大する特性を持ちます。このため、ボディメイク系トレーニングで対象となる筋繊維です。
筋力トレーニングでは12~15回の反復回数で限界が来る、やや重めの重量(中負荷設定)でセットを実施します。
速筋(速筋繊維Ⅱb)
瞬発的な運動において爆発的な速い収縮(Fast)をし、グリコーゲン(Glycogen)を消費することからFG筋とも別称されます。レジスタンストレーニングで鍛えると強く筋肥大します。陸上競技で例えるなら、100~200m走に必要な筋肉です。
筋力トレーニングでは6~10回の反復回数で限界が来る、かなり重めの重量(高負荷設定)でセットを実施します。
筋力トレーニングの種類と特性
1.自重トレーニング
自重トレーニングはよく「ウエイトトレーニングではない」と誤解され、そのため「毎日実施してもよい」などと言われますが、正式には”Self Weight Training”、つまりセルフウエイトトレーニングと呼ばれる自身の体重を負荷ウエイトに使うウエイトトレーニングの一種です。このため、他のウエイトトレーニングに準じ、超回復理論にのっとりプログラムを組んでいく必要があります。
なお、自重トレーニングは筋力トレーニングに初めて取り組む方にとっては手軽で、トレーニング入門には適切な方法ですが、ダンベルやバーベルを使ったフリーウエイトトレーニングほどの高負荷トレーニングは不可能ですので、本格的に身体作りを行いたい場合は、やはりフリーウエイトトレーニングを習得・実施していく必要があります。
2.チューブトレーニング
チューブトレーニングはダンベルトレーニングに比べて器具がかさばらず、高負荷トレーニングの必要性が少ない女性の筋力トレーニング方法として有効です。また、自重トレーニングの負荷追加や仕上げにトレーニングとしても有効です。
3.ダンベルトレーニング
ダンベルトレーニングは、フリーウエイトトレーニングの入門として自宅で行うこともできる方法です。複数の関節と筋肉を同時に動かす「複合関節運動|コンパウンド種目」しかない自重トレーニングに対し、単一の筋肉だけを集中的に鍛えられる「単関節運動|アイソレーション種目」が豊富なことが特徴です。
このように、ダンベルトレーニングは自重トレーニングから一歩進んだ自宅でのトレーニング方法として有効です。また、筋肉の稼動域が広いのもメリットで、ジムでのマシンやバーベルを使ったトレーニングの仕上げとしても最適です。
なお、ウエイトを片手で保持することから、同じフリーウエイトトレーニングのバーベルトレーニングに比べると高重量を扱えないというデメリットがあります。
4.マシーントレーニング
一般的なケースとして、自宅での自重トレーニング・ダンベルトレーニングを経験し、さらにレベルの高いトレーニングを目指してジムに通うようになった方が、最初に実施するのがマシントレーニングです。
マシントレーニングは動作起動がマシンによって支えられているため、初心者の方でも比較的簡単に高負荷トレーニングを実施できるのがメリットです。しかしながら、反面、動作起動のブレを止めるための体幹インナーマッスルが鍛えにくいというデメリットがあります。
ですので、最終的には高負荷かつ同時にインナーマッスルも強化できるバーベルトレーニングを中心に、補助的にマシントレーニングやダンベルトレーニングを行っていくのが、ジムにおける本格的な筋力トレーニングの在り方です。
5.バーベルトレーニング
全てのウエイトトレーニングの基礎となり、また、もっとも効果の高い筋力トレーニングがバーベルトレーニングです。両手でウエイトを扱うため高重量が扱いやすく、動作起動が完全に自身で制御できるため個人の特性に合わせたトレーニングの実施が可能です。
反面、動作フォームなど技術の習得が必要となり、専門家の指導下で実施することが必要になります。
また、バーベルトレーニングのなかでも「BIG3」と呼ばれるバーベルベンチプレス・バーベルデッドリフト・バーベルスクワットは、この3種目だけ実施していっても十分に全身の筋肉が強化できるとされています。
なお、パワーリフティング競技の3種目は、このバーベルベンチプレス・バーベルデッドリフト・バーベルスクワットの挙上重量によって競われます。
大胸筋の自重トレーニング
膝つき腕立て伏せ
いわゆる腕立て伏せ(ノーマルプッシュアップ)は女性には強度が高いため、膝つき腕立て伏せを行うのが一般的で、大胸筋全体を中心として、二次的に三角筋や上腕三頭筋にも負荷がかかります。
重要な動作ポイントとして、①肩甲骨を寄せたままセットを行う、②背すじを伸ばす、③上半身を押し上げた位置で顎を軽く引いて大胸筋を強く収縮させる、の三点があげられます。
大胸筋のチューブトレーニング
チューブチェストプレス
チューブチェストプレスは大胸筋トレーニングの基本となる種目で、大胸筋のほかにも三角筋や上腕三頭筋など上半身の押す筋肉全体に負荷がかかります。
しっかりと肩甲骨を寄せたまま動作を行うことがポイントです。
なかでも、斜め上方に腕を押し上げる軌道で行うインクラインチューブチェストプレスが女性には適しています。
チューブチェストフライ
チューブチェストフライは大胸筋のなかでも内側に集中的な負荷がかかる仕上げトレーニング向きの種目です。
しっかりと肩甲骨を寄せたまま動作を行うこと、腕を閉じた位置でやや顎を引き、大胸筋を完全収縮させることがポイントです。
なかでも、斜め上方に腕を閉じる軌道で行うインクラインチューブチェストフライが女性には適しています。
大胸筋のダンベルトレーニング
ダンベルプレス
フラットベンチダンベルプレスは、大胸筋のダンベルトレーニングの基本とも言える種目で大胸筋全体に負荷がかかるほか、二次的に三角筋や上腕三頭筋にも有効です。
バーベルベンチプレスと比べた場合の最大のメリットは、より大胸筋を伸展させられることになりますので、この利点を活かすためにもダンベルを深く下ろすようにします。
この時に、肩甲骨をしっかりと引き寄せておくことが重要で、肩甲骨の寄せ方が完全でないと肩関節に強い負担がかかってしまいますので注意してください。
ダンンベルフライ
ダンベルフライは大胸筋の仕上げトレーニングに適した単関節種目で、大胸筋のなかでも内側に負荷がかかります。本種目は重量を追求するのではなく、いかに大胸筋を最大伸展・最大収縮させるかに着目して行うべき種目です。
大胸筋のマシントレーニング
マシンチェストプレス
マシンチェストプレスはジムマシンとしてはもっともポピュラーな種目で、大胸筋全体に有効です。
大切な動作ポイントは肩甲骨をしっかりと寄せて行うことで、肩甲骨の寄せ方が弱いと大胸筋から負荷が分散するだけでなく、肩関節に強い負担がかかりますので留意してください。
また、グリップが肩より上になる状態で構えても肩関節に負担がかかります。セット前にシート高を調整してください。
なお、マシンによってはプレス軌道が変えられますが、斜め上方に押し出す軌道だと大胸筋上部に、斜め下方に押し出す軌道だと大胸筋下部に負荷が加わります。
マシンチェストフライ
マシンチェストフライは、大胸筋トレーニングの仕上げに適した単関節種目です。
グリップが肩より上になる状態で動作を行うと、肩関節に強い負担がかかりますので、セット前に必ずシート高を調整するようにしてください。
ケーブルフライ
ケーブルフライは、ケーブルマシンの特性である自由な軌道で動作が行える仕上げ種目です。
上から斜め下方に腕を閉じる軌道のハイケーブルフライだと大胸筋下部に、下から斜め上方に腕を閉じる軌道のローケーブルフライだと大胸筋上部に負荷を加えられます。
また、シングルハンドで反対側の肩ラインまで深く腕を閉じるクロスオーバーフライだと、大胸筋内側に非常に強い負荷を加えることが可能です。
大胸筋のバーベルトレーニング
ベンチプレス
バーベルベンチプレス(フラット)は、大胸筋を中心として三角筋や上腕三頭筋に効果の高い、ベンチプレス系種目の基本となるトレーニングです。
ベンチに仰向けになり、80cm前後のグリップ間隔でバーベルシャフトを握り、肩甲骨をしっかりと寄せ、ややブリッジを作り、肩甲骨2点・臀部・足2点をベンチおよび床に着けて全身を安定させます。
次に、肩甲骨を寄せたままバーベルをラックアウトし胸(みぞおち付近)の真上にバーベルを移動させます。
バーベルをみぞおちの真上に移動させたら、筋力でウエイトをコントロールしながらバーベルシャフトが胸につくまで下ろします。
バーベルシャフトが胸についたら、肩甲骨を寄せたまま肘を伸ばしてバーベルを押し上げます。
ベンチプレスにおいては、肩甲骨を常に寄せたまま動作を行うことが非常に重要で、肩甲骨の寄せ方がゆるいと大胸筋に対して負荷がかかりにくいだけでなく、肩関節に強い負担がかかりますので、十分に留意してセットを行ってください。
バーベルベントアームプルオーバー
バーベルベントアームプルオーバーは、大胸筋に対して縦方向の負荷を加えられる種目で、特に大胸筋の発達停滞期に取り組むと有効です。
また、筋肉に対する効果だけでなく、大胸筋の土台となる胸郭拡張にも有効とされています。
女性の大胸筋トレーニング種目一覧
腕立て伏せ
ヒンズープッシュアップ
ダンベルプレス
ダンベルフライ
ダンベルプルオーバー
スミスマシンベンチプレス
マシンチェストプレス
マシンチェストフライ
バーベルベンチプレス
筋力トレーニングと食事の基礎知識
筋力トレーニングを実施したら、そこで満足して終わるのではなく、トレーニング効果を最大限高める食事・栄養摂取をする必要があります。
女性のための筋力トレーニング情報
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チューブトレーニングの実施方法
チューブトレーニングの実施方法
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