【ベンチプレスの種類とやり方】各種のフォームや100kg挙上のためのプログラムを公開

大胸筋トレーニングの基本・ベンチプレスのフォーム・コツ・呼吸方法、各筋肉部位別に効果的な種類を解説するとともに、公式大会でのルール=正しい上げ方や全国大会の出場標準記録もご紹介します。

また、ベンチプレスと言えば誰しもが最初に目標とするのが100kgの挙上ですが、多くの人にとっては壁となります。その壁を越えて100kg挙上に到達するためのプログラムもあわせて解説します。

■ベンチプレスが効果のある筋肉部位

ベンチプレスが効果のあるのは、主に大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の「上半身の押す筋肉群」ですが、それ以外にも体幹前面のインナーマッスルである小胸筋や前鋸筋にも効果があります。

■ベンチプレスの基本的な種類

●大胸筋全体に効果のあるノーマルベンチプレス

ベンチプレスの基本中の基本と言えるのが、フラットベンチで行うノーマルのベンチプレスです。

そのフォームややり方のコツ・ポイントは以下の通りです。

○グリップは肩幅より拳二つ分ほど広くとる(公式競技では81cm)

○バーベルシャフトは前腕骨の真上・手の平の基部近くに置く

○肩甲骨を寄せブリッジを作り、肩甲骨二点と臀部一点の三点で上体を保持する

○挙上動作ではバーベルシャフトの直下に常に肘があるようにする

●大胸筋上部に効果のあるインクラインベンチプレス

ベンチプレスのバリエーションのなかでも大胸筋上部に効果の高いやり方がインクラインベンチプレスです。

苦しくなると、ついブリッジを高くしたくなりますが、そうなるとバーベルを押し出す軌道が大胸筋上部に効果のある「腕を斜め上方に押し出す」軌道から外れ、ノーマルのベンチプレスと効果が変わらなくなるので、背中をベンチに押し当てて正しい軌道が変化しないように気をつけてください。

●大胸筋下部に効果のあるデクラインベンチプレス

ベンチを斜め下に傾けて行うデクラインベンチプレスは、腕を押し出す軌道が斜め下方になるため、大胸筋下部に効果的なバリエーションです。

終盤で苦しくなったらブリッジを強めることで、さらに大胸筋下部を追い込むことが可能です。

●大胸筋内側と上腕三頭筋に効果のあるナローグリップベンチプレス

大胸筋内側と上腕三頭筋に特に効果の高いのがクローズグリップ(ノーマルより拳一つ分ほど狭い握り方)で行うナローベンチプレスです。

肘を開いて挙上動作をすると上腕三頭筋外側(短頭=内側頭・外側頭)に、肘を閉じて挙上動作をすると上腕三頭筋内側の長頭に負荷が集中します。

また、大胸筋が最大収縮したポジションからさらに腕を前に押し出す作用のある前鋸筋にも効果的です。

●大胸筋外側に効果のあるワイドグリップベンチプレス

グリップをノーマルベンチプレスよりも拳一つ分ほど広く握るワイドグリップベンチプレスは、大胸筋のなかでも外側に効果があるだけでなく、三角筋にも高い効果があります。

また、大胸筋の深層に位置するインナーマッスルで、大胸筋の初動をほじょする作用がある小胸筋にも効果的です。

■ベンチプレスの三点保持

ノーマルなベンチプレスの項目で少し触れましたが、何かを安定させて保持する場合に最適なのは三点で保持することです。

カメラなどの三脚を例にとるとわかりやすいのですが、三点で保持するとどの指示点に傾くことなく安定します。

逆に、足の長さが微妙に揃っていない四脚のイスやテーブルを考えてください。いつまでもグラつきやブレが止まりません。

ベンチプレスにおいても同様で、挙上のブレを止めるためには、左右の肩甲骨あわせて二点と臀部一点で身体を三点保持するのが最適です。

■ベンチプレスの換算表

ベンチプレスに限らず、ウエイトトレーニングにはRM換算表というものがあります。これは、ある重量を一回挙上するためには、それより軽い重量を何回挙上すれば可能かを推測する表です。

本記事のテーマの一つであるベンチプレス100kgを一回挙上するための換算が以下の通りです。

○98kg→二回

○96kg→三回

○94kg→四回

○92kg→五回

○90kg→六回

○88kg→七回

○86kg→八回

○84kg→九回

○82kg→十回

これを日々のベンチプレストレーニングの目安にしてください。

■ベンチプレス全国大会の出場標準記録

ベンチプレスはトレーニング種目として人気が高いだけでなく、公式競技として県大会・ブロック大会・全国大会・大陸大会(日本だとアジア大会)・世界大会とあり、世界的に認知されているスポーツ種目です。

ベンチプレス競技に足を踏み入れた人が最初に目指すのが全国大会出場ですが、出場するためには、年齢・体重階級別に定められた「全国大会出場標準記録」を公式戦で記録する必要があります。

日本パワーリフティング協会によるベンチプレスの全国大会(ノーギア)の男子出場標準記録は体重階級と年齢カテゴリー別に以下の通りです。

一般(16歳~39歳)
59kg級(100kg)
66kg級(110kg)
74kg級(120kg)
83kg級(130kg)
93kg級(140kg)
105kg級(147.5kg)
120kg級(155kg)
120kg超級(160kg)

マスターⅠ(40歳~49歳)
59kg級(90kg)
66kg級(100kg)
74kg級(110kg)
83kg級(117.5kg)
93kg級(125kg)
105kg級(132.5kg)
120kg級(140kg)
120kg超級(145kg)

マスターⅡ(50歳~59歳)
59kg級(80kg)
66kg級(90kg)
74kg級(97.5kg)
83kg級(105kg)
93kg級(112.5kg)
105kg級(120kg)
120kg級(125kg)
120kg超級(130kg)

マスターⅢ(60歳~)
59kg級(65kg)
66kg級(72.5kg)
74kg級(80kg)
83kg級(85kg)
93kg級(90kg)
105kg級(95kg)
120kg級(100kg)
120kg超級(105kg)

マスターⅢ(60歳~)
59kg級(65kg)
66kg級(72.5kg)
74kg級(80kg)
83kg級(85kg)
93kg級(90kg)
105kg級(95kg)
120kg級(100kg)
120kg超級(105kg)

■ベンチプレスの呼吸方法

筋肉は息を吐く時に収縮し、息を吸う時に弛緩するという特性があります。このため、一般的な筋トレでは、力を入れながら息を吐き、ウエイトを下ろしてから息を吸うのが正しい呼吸方法になります。

しかし、ベンチプレスに関しては少し違ってきます。なぜならば、ベンチプレスでは息を大きく吸い込んで止め、胸郭を広げることにより胸の高さを出し、バーベルの挙上距離を短くしたほうが有利だからです。

このため、バーベルを下ろす前に大きく息を吸い込んで止め、止めたままバーベルを下ろし、挙上し、元に戻ってから息を吐き、再び息を吸い込んで止めるのが効率的な呼吸方法です。

なお、息を吸う前に浅く早い呼吸を数回してから息を吸い込むと、換気率が上がり、より多くの空気を肺に溜め込んで胸郭を広げることが可能です。このような呼吸方法は素潜り競技などでも使われ、ハイパーベンチレーションと呼ばれています。

■ベンチプレス100kg挙上のためのプログラム

●100kg挙上までの期間

初心者にとってベンチプレスの大きな目標となるのが100kgの挙上ですが、全くの初心者の場合、およそ3年間かかります。もちろん、きっちりと筋トレを続け、食事や睡眠にも気をつけての話です。

3年は長いようですが、当ジムで行っているプログラムの場合、1サイクルが24週(およそ半年)ですので、6サイクルすれば三年が経過するため、意外と早く感じます。

そのサイクルは、筋量増大期(10週間)、筋力向上期(8週間)、神経強化期(6週間)から構成されています。

筋量増大期(10週間)

この期間は、筋肥大に最適とされている8~10レップで限界のくる重量設定でベンチプレスをしていきます。一日のトレーニングで6セット前後を週一回もしくは二回行ってください。もちろん、目標の重量・回数をクリアできたら少しずつ(2.5kgずつ)重量を上げていってください。

筋力強化期(8週間)

この時期は、筋力向上に効果的な6レップ前後で限界のくる重めの重量設定でベンチプレスを行っていきます。高重量負荷がかかるため、セット数は4セット前後とし、十分に筋肉を回復させるためにベンチプレスのトレーニングは週1回のみが一般的です。こちらも、目標の重量・回数をクリアできたら少しずつ(2.5kgずつ)重量を上げていってください。

神経強化期(6週間)

この時期は、実際にベンチプレスの試合に出場する場合の調整法である「ピーキング」を行います。ピーキングとは段階的に筋肉と神経系を「一発仕様」にしてくことで、さらに負荷が強まるのでベンチプレスは週1回3セット程度のトレーニング量になります。その具体的なやり方の一例は以下のとおりです。

第一週:6レップで限界の重量で3セット
第二週:5レップで限界の重量で3セット
第三週:4レップで限界の重量で3セット
第四週:3レップで限界の重量で3セット
第五週:2レップで限界の重量で3セット
第六週:Max重量への挑戦

このような24週間のサイクルを繰り返すことで、筋肉はトレーニングに慣れて停滞することなく強くなっていきます。

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